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場所は“−X、−Y”で、さくら通りにあるわけではなく、 サクラホテルは、一筋南の通りにある。 いつの頃からか記憶は定かではないのだが、神保町で外国人 旅行者を頻繁に見かけるようになった。確かに東京の“カル チェラタン”として神保町自体はおもしろい街だと思われる が、それだけで集まってくるわけではあるまい。それに彼ら は重いスーツケースやバックパックで、今しがた成田から着 いたばかりか、あるいは成田に戻るところといった様子だっ たからである。 すぐに謎は解決し“SAKURA HOTEL”という、外観がちょっと 恥ずかしいピンクに塗装されたホテルがあることを発見した。 HPを見れば、旅行者がひきも切らない理由はすぐわかった。 これだけの都心にありながら、ルームチャージがダブルでも 8000円足らずという安さである。彼らは徹底的に経済性を求 めていて、そのための情報集めは積極的にしている。 日本人が思っている以上に、東京の物価の高さは世界中に知 られているはずで、何を観光の目的にしているのかはともか く、その物価の高さが海外からの旅行者の増加を鈍化させて いる最大の要因であるのは間違いない。 確かに物価は高いのだが、それこそ“B級グルメ”のような ものを駆使すれば、想像以上に安くあげることも可能なはず である。名だたるB級グルメのメッカ神保町だが、昼間の彼 らはどこを巡っているのやら、昼食処に旅行者の姿を見るこ とはほとんどない。 とはいえ、いずれは神保町の安い飯屋で彼らの姿を頻繁に見 る日が来るだろう。立ち食い蕎麦屋で、周囲の客の蕎麦をす する盛大な音に目を白黒させながら不器用な箸さばきで静か に蕎麦を口に運ぶに違いない。 ★ひだまりのお話★ |
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