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[承前] その時の旅行は、行きはモスクワ経由で、帰りが北周りのアンカレジ 経由というものだった。だから北極海の上空も飛んでいるのである。 アンカレジの空港は北周りお約束の経由地で、おぼろげな記憶では、 日本に帰国する直前の“きつねうどん”というのが名物だったりして いて、残念ながらその時に味わいそこねてしまったのだが、話のタネ に食べておけばよかったと後悔しきりなのだ。 さらにお約束の日本土産として、子持ち昆布とかスモークサーモンと かいったものも販売されていたのだった。 空港内で待機したもう一か所が香港の啓徳(カイタック)空港である。 噂には聞いていたが、この空港の離着陸は聞きしに優るスリリングな 体験だったのである。 既に廃港となった啓徳空港にランディングするのは、パイロットにと っても技量が要求されていたようで、最終アプローチの様子などは、 乗客からしてみてもなかなかな光景だったことを覚えている。 とにかく飛行機が香港のビル群を縫って降下して行くのだが、窓から 見るとミノルタだったかの広告のすぐ横を通り、アパートに干されて いる洗濯物を引っかけそうなぎりぎりの着陸をするのだった。 着陸してフィンガーへ進むのに窓から外を見ていたら、ぐるりと方向 を変えた時に主翼の先端が海面にはみでているように見えた……。 [続く] 《海外旅行のトピックス一覧》 |
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