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[承前] この時の滞在で定期演奏会に2度出かけた。どちらも、3日ある定期 演奏会のうちの初日に行っている。 一つはアバドが振った盛りだくさんのプログラムで、最初『フィガロ の結婚』序曲、続いてモーツァルトのクラリネット協奏曲、リヒャル ト・シュトラウス『四つの最後の歌』ときて、最後にシェーンベルク 交響詩『ペレアスとメリザンド』という、どうなったらこういう選曲 になるのか、首を傾げつつ出かけた記憶がある。 小編成でふんわりと軽いフィガロの序曲はあぁっという間に終わり、 ザビーネ・マイヤーがバセット・クラリネットを演奏しての協奏曲は 初日ということもあって、いまひとつ音楽が絡まりきらずだったが、 彼女の厚めの音色は楽しむことができた。 『四つの最後の歌』の独唱はカリタ・マッティラ。一曲目冒頭のうね るような音楽に続いてソプラノが入るタイミングで、アバドとBPO は思い切って音量を落とした。そうすることでマッティラの硬質で細 めな声がしっかりと聴こえてきたのだ。初日だったので、音量の落と し方が雑なようにも感じられたが、2日目以降は滑らかになっていっ ただろうと予想できる。 しかし……四曲目の最後、余韻の中で数回吹かれるフルートのトリル の最中に盛大なるくしゃみを発した御仁がいたのは何だかなである。 以上で終わり。メインのシェーンベルクは何が何やらで記憶にない。 3曲までポピュラーな選択なのだから、ひねりを利かせずともよかっ たのではないかと思っている。気分的には前週の『トリスタンとイゾ ルデ』からの関連づけという想像もできそうだが、はて……。 [続く] 《オーケストラのトピックス一覧》 |
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