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zoom RSS 憬話§このたびの旅[20]ワルキューレ<U>

<<   作成日時 : 2008/10/07 12:03   >>

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↑散歩径[1]奥から見た祝祭劇場。道を隔てた右側には郵便局や売店など

[承前]

それにしても盛り上がらない舞台である。おまけに歌手も今ひとつだ
などと思いながら臨んだ第二幕。歌手で最も割を食ったのは、ジーク
リンデのエヴァ・マリア・ヴェストブレーク(Eva-Maria Westbroek)
で、個人的には彼女の記憶がほとんどない。同居人によれば、そう悪
くもなかったということなのだが、三幕で受胎告知を受けての絶唱の
記憶が失われているのは、何を聴いていたのだろうかと思う。

……ブリュンヒルデのリンダ・ワトソンがよくなっていたのである。
最後に聴いたのは2006年、台北の『神々の黄昏』だったが、不思議と
記憶がなくなっている。

それよりも2004年“トーキョー・リング”の時の、馬鹿でかいだけで
ニュアンスなど皆無のブリュンヒルデの印象が強烈なので、まったく
期待などしないで聴き始めたら、声にコントロールがつけられるよう
になり、実に情感豊かになっていたのである。こういう成長はうれし
いものがある。

これで少しはつまらん舞台から救われるような気はしたのだが、二幕
の殺伐とした舞台装置の“とりつくしまのなさ”には、自分の気持ち
まで殺伐としてくるような気にもなってくる。アルベルト・ドーメン
のヴォータンはやや持ち直しつつあるという感じも受けたが、登場人
物が舞台に埋没している印象は最後までつきまとうのだった。

ところでというか、普通の舞台だったらジークムントはフンディング
の剣で殺されるのだが、この演出ではヴォータンが彼の背中を刺して
いて少し首を傾げた。ジークフリートがハーゲンに背中を刺されてと
いうことの暗示だったりするのだろうか。

二幕が終わったところで空腹を覚えた。長時間椅子に座っていると、
立っていることの喜びが倍加するようで、嬉々として長い行列に並び
2本付けのホットドッグをせしめ、ケチャップとマスタードを絞り出
しては、二人でパクつくのである。腹が減っているからというわけで
もないのだろうが祝祭劇場横のカンティーネのスタンドで焼いている
ホットドッグのソーセージはすこぶるうまい。

そして食後は、祝祭劇場の周囲とかをそぞろ歩く。1時間という休憩
も、こうしてソーセージをパクつくか、人とあれこれ話をするか、あ
るいは散歩をしているうちに、あっという間に15分前のファンファー
レが鳴るのである。

ティーレマン率いるオーケストラは、演出の無能を挽回すべく絶妙の
表現を聴かせてくれる。……そうだこれを聴きたくて俺はバイロイト
音楽祭に来たのではないか……と、再び我が身を慰めるのだった。
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