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zoom RSS 故話§百年以上前の歌舞伎の様子[下]

<<   作成日時 : 2012/04/20 00:00   >>

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[承前]

三代目澤村田之助という役者がいた。幕末から明治初頭における人気
役者の筆頭に挙げてもいいだろう。美貌の女形として引っ張りだこの
人気だったが、22歳の時に脱疽で片足を切断――執刀した医師は来日
していた“ヘボン式ローマ字”のヘボン博士であった
――したが、後
にもう一方も切断を余儀なくされ、結局33歳で不本意な死を遂げた。

という人となりを書いておいて……33歳といえば、今時の歌舞伎では
花形の年齢である。平均寿命が格段に延びたことで、歌舞伎役者は、
芸が熟成するという時間を獲得したのだ。

江戸時代にも長寿の役者がいなかったわけではないと思うが、こうし
て考えると、今日の歌舞伎と100年以上前の歌舞伎の舞台の様子は
まったく違っていたのではなかろうかと想像できる。芝居の中におけ
る“媚”の含有量が格段に多かったのではないか。

そうしてみるとその当時の役者の芝居は、もっと極端、かつ生々しく
突っ走っていたに違いない。もっとあざとい思い入れを持った……さ
しずめ今の大衆演劇のそれに近いものがあったではと思うのである。

長くない寿命の中で、円熟よりは“客受け”を優先していたのが、そ
の頃の歌舞伎なのであろう。タイムマシンでその場に居合わせたら、
過剰に過ぎる淫靡な猥雑さに間違いなく閉口することだろうな。

それは、ある意味で円熟しないがゆえのエネルギーの発露と言えなく
もないのだが。

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