劇話§NINAGAWA『十二夜』歌舞伎座

蜷川はシェイクスピアに遠慮し、歌舞伎に遠慮した気がする。
残念ながら、シェクスピア的カタルシスも歌舞伎的カタルシ
スも得ることができなかった。

歌舞伎のテンポとシェイクスピアの台詞劇をうまく融合させ
られればよかったのかも知れないが、想像するにアプローチ
の問題とか、時間的制約とか、そういった理由なのだろうが
もう少しあの膨大な台詞や、説明的エピソードで長くなりす
ぎた序幕を刈り込んでいって改訂再演を目差してほしい。

役者としては麻阿(マライア)を演じた亀治郎が、飛びぬけて
台詞も演技も緩急自在で、役の把握ができていたと思う。相
変わらず“さ”行がTh音になる松緑は思い切った(?)阿呆役
であったが、原作本来の役柄とはちょっと違うような気もし
た。

菊之助は二役とはいえ、実際は三役を演じるという大仕事だ
った。声音も3種類を使い分けていたようでご苦労様だった
が、もう少し役に対する強い性格づけがあればよかった。

ともあれ、この先も様々な題材を歌舞伎化してほしいもので
そいったあたりが消極的になられては困る。

★ひだまりのお話★

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