音話§ラトルのマーラーで感じた違和感

先週の日曜午後のFMでラトル指揮ベルリンフィルのライブ
でマーラーの5番をやっていて、ちょっと気になったことが
あったので、スコア(全音のミニチュア)を引っ張りだしてベ
ルリンフィルとのライブCDを聴きなおしてみた。

違和感を感じたところは、5楽章の冒頭からスコアの練習番
号“2”に始まるチェロの八分音符の走句の3小節目の付点
四分音符。ラトルはこの付点四分音符を“スコアどおり”に
延ばして演奏させていた。それが、これまで聴きなじんだ演
奏との違和感を引き起こしていたのだった。FMのライブは
確か去年の定期で、CDになっているのは、彼が音楽監督に
就任した最初の定期の録音である。

手元にある録音を2つ、ショルティ&シカゴブーレーズ&
ウィーンフィル
を聴き比べてみた。回数で一番聴いていたシ
ョルティ盤の当該個所の音価はおよそ四分音符相当で、後に
八分休符があるくらいの短さ。ブーレーズはほぼ付点四分音
符だったが、ラトルほどには強調せずに流れとして演奏させ
ていた。

違うなあと思っていたことが実は楽譜に指示されていたこと
を忠実に再現していたということはよくあることだと思う。
ただマーラーの5番も確か複数版があったかと思うので、そ
のあたりどうなのだろう。時間があったらどこかでスコアを
眺めてみよう。

ラトルは、この先々も長く聴き続けていきたい指揮者で、今
回のような過去の思い込みを「本当はこうだ」と提示してく
れる。しばしば眼から鱗状態にさせられるのである。もちろ
ん「本当はこうだ」が“でも従来のほうがいい”というせめ
ぎ合いになるわけだが、それはそれで同じ曲を見直す機会と
考えている。

ただし、延ばした音に対する違和感が拭い去られたわけでは
ない。

★ひだまりのお話★

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