豆話§豆腐、厚揚げ、油揚げ

きっかけは、司馬遼太郎の『花神』の主人公である村田蔵六
の酒の肴についてであった。一介の村医者から明治維新最大
の戦略家として名を馳せた村田蔵六(大村益次郎)は酒席では
慎ましかった。彼は“豆腐一丁、酒一合”が常であり、客人
を呼んでも同じものを出していた。ある日、京都の鴨河畔の
店に呼ばれた若い公家(だったと思う)二人は「村田さんのこ
とや、どうせ出てくるんは豆腐やろ、廓でも行こか」と話が
まとまって、その夜起きた大村襲撃に巻き込まれず命拾いを
した……らしい。

それ以来、酒に豆腐が定番の身となった。

というわけでもないが、酒を呑む時に豆腐、厚揚げ、油揚げ
は欠かせない。冷奴、湯豆腐、焼き厚揚げに焼き油揚げ、ち
ょっと凝ったところで揚げ出しでもあれば御の字である。上
にのせる薬味も鰹節、葱、生姜という定番に、夏など辣油と
鰹節とか、もっとさっぱりと胡麻油に粗塩で食べることもあ
る。ともかく、どのように味付けしてもいつでも手軽に酒の
肴になるので重宝である。

さらに夏場などは塩茹で枝豆がつまみに加わり、最後のご飯
は納豆でという豆のオンパレードと相成る。食品バランスは
ともかくもこれだけ植物性蛋白質を摂取していれば、少しは
体にいいことをしていると思うのだが……。

★ひだまりのお話★

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