節話§おせち料理とか御雑煮

縁起物なので、お正月の朝くらいは体裁を整えている。

そうはいっても重箱を三段も重ねるような麗々しいことまで
はしない。買ってきたものをお皿にのせるだけである。一応
のラインアップとしては、黒豆、蒲鉾、伊達巻、栗きんとん、
数の子、イクラといったところを少しづつお皿に盛って、こ
の日ばかりの朝酒のつまみとしていただくのである。

生まれが関東の山の中だったために、幼少の頃には数の子に
とんと縁がなかった。もちろんどんな食物か想像もつかず、
何かの漫画の中で数の子を“ポリポリ”と食べている描写を
見て、お煎餅かあられみたいなものかと、ひどく頓珍漢な想
像をしたことがあった。初めて数の子を食べたのは二十代に
なってからのはずである。

我が家の御雑煮は実にシンプルである。薄口醤油の出汁の中
身は、ほうれん草と角餅のみ。食べる時に削り節少々ともみ
海苔をかけるだけである。気が向けば、おせちの蒲鉾の切れ
端でも放り込むのがせいぜい。ただし、このシンプルさが酒
を呑んだ後には具合がいいのである。これはどうも大昔に酒
が原因で命を落としたらしい“父方の祖父の好み”が反映さ
れているのではないかと睨んでいるのだが確証はない。父は
下戸である。

とかく酒呑みは、ごちゃごちゃ手の込んだ料理よりは、味も
作りもシンプルなほうを好むと思うのだがどうだろう。

★ひだまりのお話★

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