募話§あれはいつ頃だっただろうか

ある年齢に達した時に、かなりまじめにほっとしたことがあ
る。今の日本でそんなことはありえないであろう“徴兵年齢”
をアバウトながら越えた時だった。

もちろん戦争を知らない世代であるが、人並より少しくらい
歴史的な知識はある。ヴェトナムの戦いをリアルタイムで見
ていたので、戦争に対しても美しいヒロイズムを感じること
もない。

今のように、テレビゲームでヴァーチャルなドンパチをプレ
イしている人達がそういった感覚をどれくらい持ち合わせて
いるものかと思う。

第二次世界大戦末期、日本の負け戦が確定していて本土決戦
云々といったあたりの徴兵年齢は45歳まで引き上げられてい
て、兵隊ではないが要員として徴募年齢は60歳までになって
いた。

もちろん徴募年齢にはまだ間があるものの、45歳を越えた時
「ああ、兵隊になって戦争に行かずに済む。戦場で誰かを殺
さなくて済む。誰かに殺されなくて済む」と単純にほっとし
た。

戦争を知らない人間が、同じく戦争を知らない若い世代に何
を教えられるだろうかとは思うが、そういう時には簡単に、
「戦争が始まったら徴兵が始まる。徴兵されるのは君達のよ
うな世代だ」としか言えないだろう。徴兵を潔しとするか、
それとも想定外のこととうろたえるか、ちょっとシミュレー
ションしてみるといい。

【去年の今日】酒話「エーデルピルスとかヱビスとか」

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