劇話§九月大歌舞伎“秀山祭”昼の部

いくぶんか涼しくなってきて、ようやく観劇するにもいい季
節になりつつある。

初代生誕120年だそうである。もちろん先代の実物には触
れられるはずもない年齢……。

『菅原』の二本『車引』『寺子屋』を最初と最後、間に『引
窓』と舞踊二題を挟んだ狂言だてだった。若手から少しづつ
成長しつつある世代の『車引』は勢いもあって楽しめた。

『引窓』は吉右衛門が取り立てられたことを報告する時の稚
気が見ものだが、どうも動作や表情に他の役と似たような部
分を思い出してしまう。まあ同じ役者が演じているわけだか
ら言うも野暮なことではある。富十郎は役の性格だけでなく
元気が見られなかった。芝雀と吉之丞は好サポート。

踊りの感想は毎度ながらパス。ただし雀右衛門の衰えがさす
がに気になってしまった。

『寺子屋』は兄弟の抑制されたトーンが生かされて、緊張感
に満ちた舞台に仕上がっていた。芝翫の千代も悪いわけでは
ないが他の役者とのバランスから考えればもう少し若い女形
に演じてもらいたかった。

今月は義太夫総動員という態で、特に『寺子屋』のお二人の
気合が客席にひしひしと伝わってきた。

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