蒙話§被害を受けたことは忘れないが

些細なことから戦争のような大事まで、他者を攻撃して傷つ
けたりした側は、その行為を忘れてしまうか、正当化するか
だが、蒙った側は絶対に忘れないのである。

他国に侵略をした側の言い分は常に「いいこともしたではな
いか」とかいうものであるが、された側にしてみれば、それ
は些事で、自国領に入ってこられた事実のほうがはるかに大
きな記憶であることを認識するべきなのである。

戦争に負けた我々でも、広島や長崎の原爆投下や東京大空襲
の記憶が途切れないのは、それが甚大な被害だったというこ
とと同時に自分達の領土が侵されたと考えるからである。

9・11の記憶が生々しいアメリカは、南北戦争という内戦は
あっても、他国から侵略を受けたことがなく、それがゆえに
3000人もの犠牲者を生んだあの行為を侵略行為と感じて、あ
る種強烈にヒステリックな反応をし続けるのだろう。アメリ
カはヴェトナムやアフガニスタン、イラクの民の痛みを理解
できないまま“自国が受けた被害”のみを歪んだ誇大意識で
叫び続けるのだろう。

だから、政治家は自己の中で常に歴史を反芻していなくては
ならないのだ。歴史からの逃避は許されない。歴史を直視し
て歴史の上に立って未来を築き上げていくことが求められる
のである。

自分にとって都合のいい歴史だけ追認するような態度では、
為政者として無能としか思えない。

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