来話§1994年ウィーン国立歌劇場[Ⅲ]

この時の4公演で他に何がといえば、これまた文句なく『フィガロの
結婚』をあげたい。

ジョナサン・ミラーの演出で、確かアン・デア・ウィーン劇場で上演
された回り舞台だった。この回り舞台が特筆ものの出来で、劇進行に
沿った無駄のない舞台展開を見せてくれた。

指揮のアバドはもちろんのこと、フィガロを歌ったルチオ・ガッロや
スザンナのボニー、ケルビーノのキルヒシュラーガー、そして始終髪
の毛をいじるという神経質な伯爵を“演じた”ライモンディなどなど
それまでに自分が観た中でもベスト上演だと言っても過言ではない。

回り舞台といえば、NHKホールで上演された『こうもり』第二幕の
効果的な場面転換として使われ、拍手も起きたりした。これはもう、
ヘルマン・プライとワルター・ベリーという二人の御大が、やりたい
放題で一番楽しんでいたのは当の本人達ではなかったかと思ったくら
いである。

もう一本が『ボリス・ゴドゥノフ』だったが、重厚な舞台とウィーン
フィルの締まった音楽のおかげで、おぼろげながらこのオペラを観た
という気がした。などと書いてはみたものの、この先将来に渡って積
極的にロシア・オペラを観ることがあるだろうかとも思ってしまう。

というわけで、この先どういったオペラをメインに観ていくのかとい
う取捨選択を徐々にすすめるようになった。

【去年の今日】旅話§成田国際空港への道

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