鍵話§レイフ・オヴェ・アンスネスのピアノ

土曜日に聴いてきた。

ベートーヴェンの32番最後のソナタに関して、アンスネスは見通しの
いい音楽を聴かせてくれた。彼の音楽はもちろん過去に実演で聴いた
ことのあるブレンデル、ポリーニそして内田光子が奏でた音楽ではな
く、アンスネスそのものの音楽なのだった。

人によってはもう少しギリギリと切迫感を求めるかもしれないが、そ
れは彼の身上ではないだろう。アンスネスの音楽を“彼の音楽”とし
て捉えることが必要なのである。

前半は二人の北欧の作曲家シベリウスとグリーグの作品が弾かれた。
特にグリーグの変奏風の音楽は、同国民であるアンスネスの繊細なタ
ッチと間合いが絶妙で、一度も聴いたことのなかった音楽であるにも
かかわらず素直に楽しむことができた。

後半の一曲目、5分ほどのシェーンベルクの小品がまた微妙繊細なタ
ッチの連続で、見事なコントロールだと言える。

できれば彼の室内楽やリートの伴奏の実演も聴きたいものである。

ところで菜の国さいたま芸術劇場の100人のピアニスト・シリーズ
も彼で99人目、あと一人を残すのみであるが、こういったものが生き
た企画なのだ。

§ひだまりのお気に入り§

この記事へのコメント

2007年02月13日 23:26
こんばんは。

> こういったものが生きた企画なのだ。

主が変わったので仕方がないことなのですが、この劇場の「生きた企画」が音楽部門で衰退していくことに寂しさを感じます。このホールの音響、劇場全体のいつも何かを作っている雰囲気が気に入っているだけに・・・。
2007年02月14日 13:40
お久しぶりです。TBとコメントを
ありがとうございます。

このところ気になっていたピアニス
トをようやく聴くことができ、また
期待を裏切らなかった充実したコン
サートだったことに満足してます。

個々に探して見ていけば“好企画”
はそれなりにあるのでしょうが、俯
瞰してしまうと“薄さ”は否めない
ですね。

昨日も某日本人ピアニストがFMで
30~32番を弾いていましたが2曲目
でパスしちゃいました。

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