醸話§清酒『梅乃宿』純米…万丈編…

縄のれんをくぐって入った“I”の中は、白木の清潔なカウンターが
あって、それを見ただけで店自体は気に入ったのだった。

日本酒のお品書きを見ても見事に知らない銘柄ばかりで、日本酒が軽
んじられているという世間の風評とは別に、ところがどっこいの心意
気の醸造家の存在を思い知らされた。

ところが選んだ酒が“銀嶺立山”というのは、我ながら無知が情けな
いと思いながらの選択だったのだが、出されたグラスをひと口呑んで
過去に呑んだ立山とはまるで別物の酒のように感じて、素直に感動し
てしまった。

2杯目は何にしようかと悩んでいたが、お値段が高めのゾーンの中で
も高くない値段で“梅乃宿”純米を見つけた。奈良で日本酒を醸造し
ているとは露知らずで、好奇心に駆られて注文してみた。

出された酒は少し“トロリ感”のある外観で、口を近づけるといきな
り鼻腔に米の香りが飛び込んできてびっくりした。そして口に含んだ
瞬間に、日本酒は米から造られるという当たり前のことを、この酒で
初めて実感したのだった。

こうして“梅乃宿”1杯で日本酒への蒙を開かれたのだったが、その
後に精進したのかというと、そんなことなどなかったのは、これまで
の酒についての記述で十分におわかりになるだろう。

というわけで、この文章を書くきっかけを作ってくださった、こちら
に感謝。

【ひだまりのお話の原点】

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