書話§『やっぱりクマが好き!』

『やっぱりクマが好き!』というタイトルの本である。作者はドイツ
人のローター・J・ザイヴァート、翻訳は独文学者の山崎太郎。

ドイツ語原題は“Die Bären Strategie”だから、あっさり直訳すれ
ば“熊の兵法”てな感じだろうか。

要するに、時間をうまく管理して人生を豊かに過ごしましょうという
ことを、賢いクマを主人公にして、時間管理がルーズだったりタイト
だったりしている動物達――フクロウ、働き蜂、鹿など――を“クマ
の時間”に教え導いていくという生活指南の書である。読み進めなが
ら、自分があてはまる動物はと考えてみたが、ウサギのようでもあり
鹿のようでもある……といった風に、複合的なタイプ設定になってし
まうのだった。おそらく大抵の人も一つの特定されたタイプに集約す
ることはないだろう。

普段、そういったタイム・マネージメントをどうするとか“あなたは
こうすればもっとうまく動ける”みたいな類の本に手を出すことはな
いのであるが、何を考えたか一気に読んでしまった。

まあ要するに“キツキツ”でも“ユルユル”でもいけない。ほどよい
余裕と優先順位をつけることで、時間を盗まれないようにしましょう
というのが、はなはだながらの乱暴な結論である。

そんなこたあ、本を読まなくてもわかっている……みたいなことは、
本文中でも、熊のブルーノによる最初のレッスンに対する悩める動物
達の反応からも感じられた言い分で、まあ改めて文字を読んで、その
アドヴァイスをどう受け留めて受け容れるかは、もちろん個々の判断
なのだ。

熊のブルーノの奥さんの名前が“ブルンヒルデ”で、夫のブルーノに
よれば「女房はいつも眠りが浅いんだ。……」という件があって、少
しばかりニヤリとした。

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