悼話§B・エリツィンさん(ロシアの呑兵衛)

1991年の8月19日、ミュンヘンのホテルをチェックインする朝、部屋
のテレビをつけたら、ソ連が何やら不穏な情勢になっているというニ
ュースが流れた。

ゴルバチョフ大統領が“軟禁”されているらしいという以外には、現
地からの映像の配信もなく、CNNのアナウンサーの米語も聞き取り
にくくで、訳のわからないままミュンヘンを列車で発った。

目的地に着いた翌朝、英字新聞を買ってきて読んだのだが、どうもま
だ要領を得ない。状況が明らかになったのは3日ほど経ったあたりで
憔悴したゴルバチョフと意気軒昂なエリツィンの映像を見たのだ。

……かくして保守派のクーデターは失敗に終わりソ連は崩壊、エリツ
ィンはとても元気で陽気な酒好きの大統領になったのであった。

エリツィンの酒についての様子は、この時期同時通訳者として接する
ことの多かった米原万里の著書に詳しい記述がある。合わせて漫画家
いしいひさいちの作品にも、しばしばウォッカの瓶を手に訳のわから
ないハチャメチャな酒乱ぶりを発揮するエリツィンが登場してネタの
餌食となっている。

それにしても相変わらず日本政府は“外交音痴”が治らない。アメリ
カが元大統領をイギリスが元首相、ドイツが現大統領を参列させたの
に、駐ロ大使だけを参列させるというのはどう取り繕っても不手際で
しかない。エリツィンと同時期の元首相を出すという知恵すらなかっ
たのか。

【去年の今日】酒話§街場のバーが一軒ある

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