劇話§オペラ演出の受容~洋の東西の差~

ふと、こんなことを妄想してみた。日本のオペラに関するサイトを覗
いてみたり、色々と見聞きした範囲内として書かせてもらう。

要するに意外に多くの日本人のオペラ好きが、特にドイツのオペラハ
ウス中心に繰り広げられているいわゆる“読み替え演出”に対する拒
否反応が強いと思われる。それは――あくまでも仮定だが――リブレ
ット(台本)に対する理解が不足しているのが一因ではないかという想
像である。

もちろん大部分は対訳などを自分なりに消化したうえでオペラを鑑賞
していると思われるのだが、原語の持つニュアンスであるとか、内奥
に隠されている情報までを外国人の身が理解するのは容易なことでは
ない。

あるいはそういった細かいニュアンスの上に“読み替え演出”が成り
立っていて――玉石混交はともかく――それを彼の国の人達は理解し
た上で良し悪しを判断しているのではないかと思うのである。

などと書いてきて、これが仮定であるとしても根拠が弱いことを思い
出した。とある、ドイツ語に堪能なオペラ愛好家の一人は、読み替え
演出をほとんどまったく認めなかったりしている。これはまあ、個人
的嗜好の部分であるといってもいいのだが。

これが歌舞伎だと、飛鳥時代の『妹背山』でも江戸時代の“現代劇”
として上演されていて、考えてみればずいぶんと前衛的なことが行な
われていたのに、今日歌舞伎を観ているとすべて時代劇という認識に
なってしまうのである。そういうものを見慣れてしまった現代の日本
人は、どこか固定化された概念で舞台上演を考えてしまっているので
はという推測もしたくなる。

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