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zoom RSS 書話§再読『花神』司馬遼太郎-下巻-

<<   作成日時 : 2007/06/28 12:02   >>

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かくして村田蔵六(大村益次郎)は、自分自身に向けられる危機に対し
ての鈍感さの故に、むざむざと殺されてしまう。

明確な目的意識と正確な計算能力によって、官軍は彰義隊を上野で殲
滅させた時でも蔵六はお日和でも見るかのように戦況を眺めていたの
だった。それほどの人間が自分への危機を予感できないというのは、
いかにも皮肉というか不条理というか。やがて西郷隆盛によって西南
戦争が勃発することを予見して、軍備のバランスを西日本重視にした
という、そういう軍事的知覚能力があったのにもかかわらずである。

怜悧な実務家にありがちな、けんもほろろな応対――朝から晩まで鉄
砲を撃ち続けているので銃弾を補給してくれという分隊長に「それは
嘘です。そんなことをしたら銃身が焼けて撃つどころではなくなる」
――と追い返してみたり、まさに情はどこかにすっ飛んで理屈だけの
一個の機械と化しているのである。そこに“私心”のようなものの微
塵すらないから事を成し得たのであろう。

もちろん蔵六一人で明治維新を成し遂げられたわけでないのはもちろ
んのことであって、その時代に数多輩出した夥しい人材の中でも傑出
した一人であるにしてもである。

村田蔵六の人となりはともかくも、個人的なシンパシーを感じるのは
どうやら彼の現実主義の故であるのだろうと考えるのだ。

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