探話§ノイシュヴァンシュタイン城の方へ

幽閉先のシュタルンベルク湖畔で(たぶん)殺された狂王ルードヴィヒ
が生前建てた3つの城のうち2つは行ったことがある。

四半世紀前にノイシュヴァンシュタイン城に行った。ミュンヘンから
観光バスも出ているが、寒々としたローカル線をえっちらおっちらと
乗り継いで2時間ほど、城の手前の街・フュッセンにたどり着いた。
そこからバスで城の登り口まで行き、バス停でどうやって登るのだろ
うかなどと逡巡していたら、8人乗りくらいのバンが近づいてきて、
“これこれの料金を払えば乗せていってやる”と言う。どうやら“白
タク”ごときもののようだったのだ。

もう一組の旅行者とバンに乗り込んで城に向かった……と思いきや、
城から少し離れた場所で下ろされ“その先に行けば絶景を楽しめる”
と言い置いて去っていったのだった。言われたとおりに小径を歩き、
視界が開けた瞬間に、あのドイツ観光のポスターそのままのノイシュ
ヴァンシュタイン城が忽然と現れたのだった。谷に渡された小橋から
の城は“よくもまあこんなところにこんな城を”と感心するしかなく
しばし橋の上で写真を撮ったり、ボーっと眺めたりした。

それから下っていって城の内部を見学した。昨今は予約制で手続きが
面倒になったようだが、その頃は1時間ごとだったかのガイドツアー
を待ちさえすれば簡単に入場できたのである。

城の内部はと言えば、多くの人達と同様“悪趣味”という以外の表現
は見当たらず、熱狂的にパトロネージュしたワーグナーの楽劇をテー
マにした壁画もまた辟易するしかなく、谷からの遠望だけで十分だと
結論づけた。

もう一つ行ったのは“リンダーホフ城”だが、これはまた後で。

【去年の今日】来話§1986年ウィーン国立歌劇場(上)

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