探話§ノイシュヴァンシュタイン城から戻る

ノイシュヴァンシュタイン城内部のガイドツアーを終え、再び麓へと
引き返した。

行きのバンが白タクだと思ったのは「橋からの外観を見ろ」というの
が実に都合のいい口実で、城の正面に堂々と車を寄せられない事情が
あるからではないのかという単純な想像。

別段の傾斜もない下りで、サクサクと歩いて30分足らずで麓のバス停
に着き、ほどなくやって来たバスでフュッセンに引き返した。時間は
お昼を過ぎていた頃で、昼食を食べようと手近な店に入ったものの、
ガチガチで分厚いウィンナ・シュニッツェルに全面降伏してお勘定。

前もって計画した通りに、フュッセンからバスで国境を越えてオース
トリア領を目指した。この時初めて陸路で国境を越えるという体験を
したのだった。それでも出入国審査などあってなきがごとくで、係官
がバスのドアから客席をざーっと見渡しておしまい。パスポートのチ
ェックもないことに驚いた記憶がある。

オーストリアに入国し“ロイテ・イン・チロル(Reutte in Tirol)”
という小さな町でバスを降りた。ここから列車でガルミッシュ・パル
テンキルヒェンを経由してミュンヘンに戻るのである。

ロイテからガルミッシュに向かう列車は、ドイツ領からオーストリア
領のロイテに入り、40分ほどで再びドイツ領に入るという行程なので
あるが、列車によってはガルミッシュから再びオーストリア領に入っ
てインスブルックに向かうのもあったりするので、確か“閉鎖列車”
だったか“回廊列車”だとかいう呼称で、ドイツ領で下車できない車
両を編成に組み込んで、出入国検査を省略する仕組みになっていた。

いかにもスパイ小説に出てきそうな設定で興味をそそられた。その後
無事にガルミッシュで列車を乗り継いでミュンヘンに戻ることができ
たのだが、同じ事を、今もう一度といったら完全に二の足を踏むよう
な……というか車を運転するだろう……スケジュールだったのだ。

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