喩話§メタファー?・・・『冬の旅』と娼館

ここの文章と写真を眺めていての、ふとした素人の思いつきである。
ドイツには公娼制度があって、その一つの建物の入口の文句が……

“Sie kommen als Fremder und gehen als Freund”

ここへ来るときには他人だけれど、ここから帰るときには友達よ
とあって、さらに館の名前が……

“Leierkasten”

となっていた。手回しオルガンという意味である。そこで乏しい頭が
珍しく回転した。シューベルトが作曲した歌曲集『冬の旅』はドイツ
の詩人ヴィルヘルム・ミュラーが作ったもので、その第1曲『おやす
み』は“Fremd bin ich eingezogen, fremd zieh ich wieder aus”
と始まる。“他人でやって来た僕は、他人のまま出て行く”というほ
どの意味である。そして最後の第24曲は『辻音楽師』ドイツ語の原題
は“Der Leiermann”である。

さて、乏しい頭で勘繰ったのは“手回しオルガン”という単語の中に
その手を連想させる暗黙の何かがあるのだろうかということである。
もっとも、ドイツリートの知識のある関係者の誰かが単純な思い付き
で考え合わせただけだと思えなくもなく、偶然の符合に過ぎないのか
も知れない。というわけで素人の思考はこれでおしまい。

これ以上は、その分野の人に考えてもらうしかないのだが、当分の間
『冬の旅』を聴くと、そのことに考えを巡せそうである。

当時は珍しいことではないが、シューベルトも梅毒に罹患している。

【去年の今日】調話§大学で勉強しましたか? 僕は……

この記事へのコメント

2007年09月14日 17:00
こじつけかも知れませんが、非常に深く勘ぐれば、手回しオルガン(Leierkasten)と性行為の間には類似点を見つけられるのかも知れませんね。

でも、たまたまこの店の名前を考えた人が「冬の旅」の第一曲の歌詞から表記の文章を捻りだし、店名も同じ歌曲集の最終曲から取ったと考えた方が自然のような気がします。(始めがあって終わりがある)(^_^) 

まあ、勘ぐり出すときりがありませんね。(笑)
2007年09月14日 17:14
ドイツ語の表現には様々なレトリッ
クや暗喩が用いられるということは
常識として知ってはいるのですが、
門外漢はその周りをうろうろするの
みで答えの出しようがありません。

看板一つでミュラーの詩の裏にある
ものの想像を試みたのは、答えこそ
出せそうにありませんが、なかなか
おもしろい経験でした。

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