改話§F1・日本グランプリ2007の惨状

《承前》

先週の金曜日から何気なく観察を続けていたが、富士スピードウェイ
での開催が決まってから巷間言われていた懸念が“カイゼン”されず
に、皮肉な見方をすれば想定したとおりの惨状が展開した。

まずもってバス輸送によるパーク&ライドの崩壊である。サーキット
の地勢や道路状況から3000台(延べだろう)のバスが円滑に運行できる
ことはないだろうという予想のとおりで、交通状況のリアルタイム映
像で見ても、246号線からサーキットに入る個所でバスがまったく
動かなくなっていたのを見続けたのだった。

雨の中をバス待ちが3時間とか4時間とか、高見の見物からしても、
笑うに笑えないお気の毒な状態が展開していたのである。

富士特有の気象状況も、前もってわかっていたはずである。あの時季
(だけに限るわけではないが)霧が出やすいことによるレース運営の難
しさをもっと認識するべきだっただろう。

雨続きの結果、スタートからベンツのセーフティーカーが先導してレ
ースが始まった。視界が不良のままレースを続けたドライバーやピッ
トクルーには頭が下がるが、テレビで見ていた限りでもレースするべ
き気象ではなかったと思える。

サーキット側の傲慢な運営姿勢で、旗や横断幕の禁止が掲げられてい
たにもかかわらず、事前に周到に準備したとしか思えないトヨタ側の
横断幕は映像やネットの写真でしっかり確認できた。こういう横暴を
サーキットの持ち主会社がすること自体が信じられず、まるで北朝鮮
の体制ではないかと極めて不快に思ったのである。愛知万博の時の運
営の身勝手さといい、この会社が絡むと碌なことがなさそうである。

レースが観戦できない席を設営してお金を返すということなどもまた
笑って済ませられるようなことではなかろう。

“一年目だから”というのはエクスキューズにはならない。

サーキットすぐ近くの富士霊園には、こよなくF1を愛して真摯な態
度で接し続けた本田宗一郎氏の墓があると聞いた。今回の日本GPを草
葉の陰から見ていて悲しんだに違いない。土曜と日曜の雨は、彼が流
した悲しみの雨なのだろう。

有体に書くならばF1の愛好者諸氏は、隔年開催などではなく、鈴鹿
での恒久開催実現に向けた圧力を関係諸団体に掛けていくべきだ。

10数万人もの愛好家が集まるようなイベントを自社のためにあるよう
な真似だけはするべきではないし、させるべきではない。

今回の騒動を外側から眺めていて、トヨタという巨大企業に何が欠け
ているのかはっきりと見てとれた。

【ひだまりのお話の原点】

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック