人話§歌舞伎役者伝[7]~中村小山三~

中村屋最古参の中村小山三である。大正9年生まれで、同い年の雀右
衛門とは誕生日まで同じなのだ。

筋書などの写真は、御年87歳というにはずいぶんだなあというくらい
古い写真を使っているが、中村屋の生き字引としての存在感はいまだ
に確固たるものがある。先代勘三郎の右腕として、あるいは勘九郎や
その息子の勘太郎、七之助の養育係として奮闘した。

舞台では今も黒衣や後見として睨みをきかせているし、老け役はお嫌
らしくて、赤姫などの役も嬉々として演じている。勘九郎最後の舞台
となった一昨々年の歌舞伎座『桃太郎』では、ヘロヘロになりながら
達者な踊りも見せていた。

この先、小山三のような人が歌舞伎界に現れるようなことがあるだろ
うか。そういう意味でも貴重な存在として長生きしていただきたい。
                            [続く]

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