羅話§ロマンチック街道バスは北へ[1]

ヨハン・シュトラウス急行に乗った旅の最後がロマンチック街道バス
で半日ちょっとをかけて、ミュンヘンからローテンブルクまでという
今から26年前の何ともミーハーな道中記である。

ミュンヘンの中央駅前のホテルに泊まっていたので、オイローパブス
(Europabus)の発着所は、スーツケースをゴロゴロと転がしていける
近さにあった。予約は、前日に中央駅にあるオフィスで簡単に完了。
大型バスに対して乗客は10人ほどだった。

4月下旬だったが寒い年に当たっていたようで、道中でも雪がぱらつ
くこともあった。ドイツなど北ヨーロッパにおいて、4月は春ではな
いということを理解した旅でもあったのである。

ミュンヘンを出発したバスは“アウグスブルク”でロマンチック街道
に合流する。予約制のツアーバスは、運転手と大したガイドをするわ
けではない助手1名が同乗して乗客を捌いていた。アウグスブルクに
おける彼の説明は一言だけ……

「右の奥のあたりに“フッゲライ”が見えるです」

その後“ドナウヴェルト”の街でドナウ河を渡って北上を続け、ほど
なく最初の休憩地点である“ネルトリンゲン”の街に到着した。

有史以前に隕石が落下してできたクレーターの上に作られた円環都市
“ネルトリンゲン”であるが、俯瞰してみなければ街の構造がわかる
はずもなく、街を出入りした時に見た市壁が湾曲しているのを見て、
何となくそんなものかと感じただけだった。

それに20分ほどの“トイレ休憩”では街を散策することも叶わない。
というわけで、そそくさとネルトリンゲンを出立し北上を続ける。
                            [続く]

↓17世紀中頃のネルトリンゲンの銅版画。今とさほど変わらない
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