六話§バッハ『ブランデンブルク協奏曲』[Ⅰ]

[承前]

ということで、ブランデンブルク協奏曲第1番から思うところを簡単
に書いていく。

1番の編成は、弦楽器と通奏低音にホルンとオーボエが加わっていて
ちょっと聴きには、序曲のない管弦楽組曲のような捉え方ができそう
である。もっとも4曲ある管弦楽組曲がまた楽器編成がまちまちだっ
たりするわけだが……。

6曲の中で最後にようやく聴き慣れたのがこの曲である。その理由は
おそらく最後のメヌエット楽章の繰り返しの執拗さが冗長だと感じて
いたからだと思われる。

普通だったら、メヌエット~トリオ~メヌエットで終わるところを、
メヌエット~第1トリオ~メヌエット~ポラッカ~メヌエット~第2
トリオ~メヌエットと繰り返される。しまいにメヌエットなど聴き飽
きてしまうではないか。若い頃――今も似たようなものだが――いか
にせっかちだったのかが理解できそうなエピソードである。

その後、というか聴き慣れるまでには10年くらいかかったような気は
するが、慣れてしまえば執拗なメヌエットも別段苦になるほどのこと
もない。

バッハらしい構成とロココ味を帯びた雅さのようなものとが相俟って
個人的にはブランデンブルクの中でも異質なイメージがある。

そういえば2003年にドレスデンの聖十字架教会で、バッハのドレスデ
ンに因んだカンタータ3曲を聴いたが、最後に聴いたカンタータの冒
頭にこれが使われていて、なるほど“バッハの使い回し”と感心した
ことを覚えている。
                            [続く]

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