笛話§フルートでこんな曲を吹いていた[Ⅳ]

[承前]

ジャック・イベール『フルートのための小品』という曲がある。やは
りオーレル・ニコレのLPの中にあった独奏曲で、いかにもフランス
のフルート曲なのである。

これまた東京で暮らし始めた時に、ヤマハなどの輸入楽譜を扱ってい
る店で探し出したのだった。買ってはみたものの、これもまた吹ける
部分だけ吹き散らかしただけ。例によっての生兵法のゆえに、ほとん
ど歯が立たずに放り出してしまった。

それでも、ルチアーノ・ベリオの『セクェンツァ』あたりに比べると
吹き通せはしなかったものの、気分だけはそのつもりという感じだっ
た。

『セクェンツァ』は、これはもう譜面が現代音楽の記譜で、ニコレの
演奏を聴いて、それから音符がどうなっているのかを把握しながらよ
ちよちと吹いて、あっという間に投げ出してしまった。それこそ特殊
奏法があちこちに出現して、やれ“フラッターツンゲ”だの微細音、
はてはハーモニクスを利用したダブルトーンまで要求されていて、あ
たりまえだが基礎もへったくれもない素人が手を出すような類の曲で
はない。

……くやしいから、冒頭の何小節かというあたりまでは吹けるのだ。
要するに“受け狙い”なのだが。
                            [続く]

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