五話§東京オリンピック~体操~

[承前]

チャスラフスカが金メダルを取った女子体操よりは、男子のほうをお
もしろく見た。何といっても連続して団体としての金メダルを維持し
たことと、遠藤幸雄の個人での金獲得である。

とはいっても、この時の遠藤の演技には最後まではらはらさせられて
しまった。何というか最後のあん馬に臨む時にはヘロヘロ状態のよう
に見えて、実際2度3度とあん馬上で足をひっかけたりして立ち往生
い近いものがあった。

演技が終わって得点が発表されたが、その際審判団が集まって協議を
していたという記憶もある。結果的にはどうにか逃げ切って金メダル
ということだったが、すっきり感には乏しかった。

1964年の演技はというと、まだまだ古きよき時代とでも言えるもので
山下跳びなどはその後の技の進歩からすればかわいいものであった。
東京大会以降の、いわゆるウルトラCの飛躍的な進歩もまた目覚しい
ものがあった。

今にして思い返してみても“古き佳き時代”の体操競技の最後の頃に
あたっていたような気もする。

東京大会の次の次、1972年のミュンヘンでは塚原の“月面宙返り”
登場してくるのだ。
                            [続く]

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