笛話§フルートでこんな曲を吹いていた[Ⅴ]

[承前]

モーツァルトが4曲のフルートと弦楽のための四重奏曲を作ってくれ
なかったら、フルーティストのレパートリーは格段に狭いものになっ
ていたような気がする。

吹けたらいいなあと思っていたのは当たり前だが1番のニ長調だが、
もちろん挫折。速いテンポの部分で、シングル・タンギングだけでは
対応できず、だからといってダブル・タンギングを試みると、口と指
がまったく合わなかったりしたのだ。

というわけで一番吹きたかった曲は諦めてしまったが、それ以外の3
曲は、吹くだけだったらさほど難しいわけではない。

一度だけだが、イ長調(Kv.298)をヴァイオリンとヴィオラが合わせて
くれるという機会があった。

チェロまでは調達できなかったので、ピアノで代用した。20分足らず
の三楽章構成にもかかわらず、第3楽章後半で唇がバテバテになって
力が入らなくなってしまった。日頃から長丁場など吹き慣れていない
のと、唇に緊張感を持ち過ぎているゆえの失速であった。

そんな結果ではあったが、吹いている時のアンサンブル感覚は気持ち
のいいもので、素人なりに他の楽器との受け渡しなども気を遣った。
そういうことは相手もわかってくれるようで、自分の技術以上にアン
サンブルを楽しむことができたのである。

ああいう機会がもう一度くらい訪れてくれないものかなあ。その時は
Kv.285のニ長調、弦楽器のピチカート伴奏がついた第二楽章を吹いて
みたいと希望している。
                            [続く]

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