聖話§せっかくの『マタイ受難曲』も

FMの海外ライブで『マタイ受難曲』を流していた。聴いたのは後半
だけ。

ベルリンのグループによる演奏だったが、このところの古楽器演奏の
お約束でというか快速テンポに終始していたのだった。最近は年齢の
せいか、この手の演奏が徐々に縁遠くなっていくように感じるのだ。

確かに古楽器――特に弦楽器――の音量や音長、それに加えて小編成
という設定から考えると、カール・リヒターの時代のような泰然自若
とした演奏は難しいだろうということは理解できる。

ただ、聴いていてやはりというかどうも居心地が悪くなっているのも
事実で、特にイエスが死んだ後のバスのアリア(65番)などが、かつて
の倍速くらいのテンポで歌われると、何やら後片付けが始まったよう
な印象すら持ってしまうのである。

鈍重なテンポもまた音楽を台無しにしかねないが、恐ろしく速いテン
ポの身も蓋のなさもまた音楽の不毛を招いているような気がしないで
もない。

自分にとって、それが刺激的だと感じられていた時は過ぎてしまった
のだろうか。

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