六話§バッハ『ブランデンブルク協奏曲』[Ⅵ]

[承前]

先週末、イタリアの南端バーリの歌劇場からの中継録画で6番が演奏
されるのを見た。実演でも聴いていないし、だから演奏される現場を
“実は”初めて見たのである。

左から、ヴィオラ・ダ・ガンバ2台、ヴィオラ2台、チェロ2台と、
チェンバロとコントラバスという編成で、馥郁とした音楽が奏でられ
たのだ。

渋い音楽である。楽器編成が“中声部”に偏っているがゆえの響きな
わけで、何というか300年くらい前の古文書が突然眼の前に出現し
てくる時に漂いそうな香りとでも言ったらいいか。

響きのせいだからか、心の平静を保ってくれる音楽のタペストリーの
ようである。これほど楽器の受け渡しを楽しく聴くことのできる曲は
そう多くはないだろう。

これで6曲を書き終えるが、同じタイトルであるにもかかわらず、6
曲の性格が全く違うというのはおもしろいというか不可思議である。
一曲一曲の作曲事情を、もう少しまじめに調べてみよう。
                             [了]

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