演話§歌舞伎興行とロングラン

歌舞伎座での二十五日間興行という形が、いつの頃に定着したのかは
知らないが、評判のいい興行については、いわゆる“ロングラン”的
に同じ演目を延長して興行していたということは読んだことがある。

ブロードウェイのミュージカルは、興行に博打的な要素も入り込んで
いるので、劇評などでの評判が芳しくなければ数日でさっさと撤退し
て、夜逃げしたりもするのだろう。以前、NHKのドキュメンタリー
で、ミュージカルに出資する人を対象に、新しい舞台のプレビューを
催して出資者を募るという番組を観たが、制作する側と出資する側と
双方がおもしろい作品だと思っても、実際に興行してあっという間に
失敗するケースは珍しくも何ともなさそうだ。

そう考えると、歌舞伎の二十五日興行というのはなかなかな安全策の
ような気がする。もっとも、歌舞伎座の興行で新作が舞台にかかると
いうことは稀でしかないから――最近だと『十二夜』くらい――ブロ
ードウェイのミュージカルのようにはいかない。

二十五日打ち止めということにしても、仮に好評な狂言だったなら、
さほど間を置かずに再演もしているケースもあるわけだから、どっち
もどっちというところか。

ウィーンの国立歌劇場に初めて行った時、当月の上演スケジュールを
見て、日替わりで演目が上演されることにびっくりしたものである。
後で気がついたことだが、1か月30日間すべて異なる演目ではなくて
同一演目を3回か4回くらい、間隔を置いて上演していたのである。

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