[承前] 1998年から3年した2001年6月にベルリンフィルの定期に行った。最 初の予定ではクルト・ザンデルリンクが指揮をすることになっていた のだが、残念ながらキャンセルとなってしまった。ザンデルリンクは 翌2002年に引退している。予定されていたメインはプロコフィエフの 交響曲6番。 代わりに指揮したのはハイティンクで、曲目はシューマンのマンフレ ッド序曲、同じくチェロ協奏曲(独奏はリン・ハレル)、最後がブラー ムスの交響曲第2番。 冒頭の2曲は聴き慣れていないということもあって、こんなものかと いう感じであっさりと流してしまった。 ハイティンクとベルリン・フィルの真価はブラームスの交響曲で存分 に発揮されたのだ。何度か聴いているハイティンクの印象はというと どちらかといえば融通の利かないタイプとでも言えばいいのだろうか と思うのだが、だから音楽自体が伸び縮みする類は聴いていて具合が 悪かったという記憶がある。 ブラームスの2番が伸び縮みをしないわけではないが、ハイティンク が自分の“枠”のようなものにはめ込むことができたのかどうか、実 に座りのいい音楽になっていたのだ。こういうのがハイティンクの本 領なのだろうと想像できた。 おもしろい小さな事故があった。終楽章のフィナーレになだれ込んで いくパウゼから、待ちきれなかった(?)ヴァイオリン一人の一瞬だけ 早い突っかかった音が聴こえたが、何事もなく大音量に巻き込まれて 終わったのだった。 ああ・・・ブラームスを、そしてベルリン・フィルを堪能した一夜。 [続く] 《ドイツのトピックス一覧》 付記:昨20日の午後、フィルハーモニーで火災が発生した。人的被害 や楽器類への被害はなかったとのことだが、しばらくは閉鎖するよう である。ここに克明なリポートがある。 |
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