週話§祝日短信~パリ国立オペラ~

今週から東京公演が始まるのだが完全スルーである。

理由は会場がオーチャードホールだからである。1989年の開場以来、
ここでのオペラ公演はどうも盛り上がらないままであるということと
やはりというかホールの設えの何ともならなさとでもいったものが、
観るという意欲を失わせるような気がしている。

パリ・オペラ座のオーケストラが鳴らす『トリスタンとイゾルデ』の
響きがどんなものかという興味は大きいが、どうしてもというモチベ
ーションが湧き上がらなかったのだ。

それに加えてトリスタン以外の演目――デュカスの『アリアーヌと青
ひげ』とかバルトークの『青ひげ公の城』とか
――だが、どう考えて
も演目の選定を誤っているとしか思えない。

要するに、日本の招聘元が体よく丸め込まれてしまい、先方が提示し
た演目を何も考えず丸呑みにして承諾したに決まっている。

何もフランスだから『カルメン』を、などと言っているのではない。
フランス物一つだけで、その他がドイツ、ハンガリー、チェコの作品
では、いくらなんでもチケットが売れるはずはない。そんな演目を観
たいと思うような“通”の数など高が知れているし、そういう人間は
さっさと現地に飛んで堪能しているはずなのだ。

オペラ座の今のレパートリ状況は知らないが、やはりフランス・オペ
ラの2演目くらいは持ってくるべきものだろう。ましてや“初来日”
なのだから。グノーの『ファウスト』やドビュッシーの『ペレアスと
メリザンド』といったあたりを普通に見たい聴きたいというのが人情
というものである。

10年くらい、あるいはもっと以前だったかに初来日の予定が浮上して
いたことがあった。結局実現には至らなかったが、その時の演目の一
つにベルリオーズの『トロイ人』があったように記憶している。

憬話§我々の“バイロイト音楽祭”2008.08

この記事へのコメント

2008年07月21日 17:04
>>デュカスの『アリアーヌと青ひげ』
わたしはこちらを読んで初めて知りました。(不勉強)
2008年07月22日 08:46
ミュンヘンが来日公演するとして、
『カルメン』と『ピータ・グライム
ス』と『スペードの女王』みたいな
演目の設定をするようなものかなと
思ったりしますが。
momo
2008年07月22日 15:17
昨日兵庫芸分センターで‘消えた男の日記’と‘青ひげ公の城’を見てきました。‘青ひげ公の城’はすごくよかったです。バルトークがフランス風に料理されて、中年の過去のある男性と若い女のどこでも起こりうる愛の話になっていました。女は男の全てを知って男の唯一の愛の対象になりたい、と願うんです。男がちょっとずつ譲歩すると(愛してるから、、でも女が求めている愛とは違う、、、、って男だったら‘元からそんな愛なんかromance小説にしかない現実離れしたものでしょ’と思うと思うワ、、)どんどんエスカレートするんだけど、、、というハナシでした。フランス原産のオペラではありませんが、とってもフランス的だと思いました(^^)。舞台もとってもスタイリッシュに処理されてたし、歌手も強い(声が)。もっとも好き嫌いが別れるらしく、連れはおもしろくない、と言ってました(この人、どっちかというと年増好み;;)。
2008年07月22日 15:34
偉そうにいちゃもんをつけただけの
ブログに丁寧なコメントをありがと
うございます。楽しまれたようで、
何よりでした。

またお越しください。

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