追話§ホルスト・シュタインと地震

悼話のところで、ホルスト・シュタインを聴いたのは2回と書いたが
あと1回、N響を指揮したコンサートをサントリーホールで聴いてい
ると同居人に指摘された。

プログラムはベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲をピンカス・ズー
カーマンが独奏したのとブラームスの交響曲第1番。それにアンコー
ルで『エウゲニ・オネーギン』のポロネーズというもの。

我々はオーケストラの横のLA席で聴いていたのだが、ブラームスの
途中で地震が発生したのである。一回だけしか揺れなかったが、あの
サントリーホールが一瞬“ミシリ”と揺れ動いたのだった。たびたび
日本に来ていて地震慣れしていたかどうかはわからないが、客席の一
部に動揺が走ったものの、シュタイン氏は内心はともかく、表面上は
変わることなく悠然と指揮を続けたのだった。

コンサートホールのように大きな空間の場所で地震を体験したのは、
この時が初めてだった。何というか、その瞬間にホール内の空気がユ
ラリとしたように見えた。ちょうどパイプオルガンの最低音が流れて
いくのと似たような様子なのである。

追記:ちなみに、このコンサートは1996年のサントリーホール開場10
周年記念演奏会の一環として行なわれた。プログラムは無料に加えて
小ホールには軽食や飲み物が用意されていたという大盤振る舞いなの
だった。無料のプログラムにはテレフォンカードのおまけが付いてい
てた。無料プログラムの場合、いつも“夫婦で一部”しかもらわず、
この時は後で気がついて、もう一部もらっておけばよかったと苦笑い
したのだ。

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