響話§ベートーヴェン~交響曲第6番~田園

ウィーンフィルが演奏した実演を2回聴いている。ベートーヴェンの
交響曲の中でもウィーンフィルとは相性がよさそうな気がする。

最初に聴いたのは1977年、カール・ベームの指揮だった。特に陶然と
なったのは2楽章。小川のせせらぎが流れ出して、一度落ち着く時の
ズーンという弦5部合奏の音色のしなやかな美しさである。その時は
まだまだ経験も不足していて、ウィーンフィルという存在の何たるか
も知らずにいたが、この田園一曲で魂をぬかれてしまった。

2度目は2001年、サイモン・ラトルの指揮でベートーヴェンの交響曲
全曲シリーズの時だった。この時は幸いにというかサントリーホール
の全プログラムを聴くことができた。

その時は9曲の出来不出来が目についたような記憶があり、それは指
揮者優位で展開した曲とか、オケ主導で進んだ演奏、あるいは両者が
せめぎあってのもの……様々な絡みが展開したように見えた。それで
指揮者とオーケストラの折合いがついた一曲が6番だったように感じ
たのである。

ラトルの喜びと、ウィーンフィルの幸福な音色の絶頂は、嵐が去った
終楽章の広々とした雨上がりの空が、聴く者をゆったりと包み込んで
くれたのだった。

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