響話§ベートーヴェン~交響曲第7番~

初めて聴いたのは大学生になってからだから遅いほうだろう。昨今の
若い聴き手ならさっさとマーラーやブルックナーに進んでいるはずで
30年以上前のご時世とはいえ、のんびりしたものだったと思う。

LPの時代にクーベリックとベルリンフィルの廉価盤を聴き込んだ。
これがなかなかに重心の座った演奏という記憶で、1楽章や4楽章の
低音弦の“ゴリゴリ”という音がすごく際立っていたということと、
ヴァイオリンが対向配置で、だから4楽章フィナーレのやり取りが立
体的に聴こえてきておもしろかった。

聞き始めた頃には既にフルートを吹いていたので、第1楽章序奏の後
主題をフルートが独奏するところでは、レコードに合わせて吹いたり
したことを思い出す。あそこは実に気持ちよく吹けるだが、4楽章の
展開部で主題の調がガラリと変わる部分の指遣いが難しくて、あっさ
りと放り出してしまったのだ。

実演の思い出だが、これはもう1986年のカルロス・クライバーが指揮
した“あれ”である。前にも書いたように、その時は上野文化の1階
左サイドで聴いていた。ちょっと視線を右に移すと1階センターブロ
ックが広がるのだが、4楽章の終結部分でセンターブロックの聴衆が
明らかに気分が高揚して前のめりになっているのに気がついたのだっ
た。ああいう体験は後にも先にもその時だけである。

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