修話§ワーグナーの楽劇を聴き通す

居間のオーディオの前にどっかりと陣取って、例えば『トリスタンと
イゾルデ』をみっちり4時間、最初から最後まで聴き通す……そんな
ことをしたことはない。

自宅ではいつも“聴き齧り”状態になってしまう。それでも、去年の
スカラ初日『トリスタンとイゾルデ』のFM放送は最初から最後まで
聴き通したが、こんなことは稀有なケースである。

やはりというか、何の取っかかりもなしでスピーカーから流れてくる
ワーグナーというのは、実は飽きてしまう危険性も大きかったりする
のだ。結局、オペラなのだから視覚とシンクロさせての音楽という色
合いも強いということになる

なのであるが、それじゃあビデオとかDVDとかの映像付きにすると
なぜかわからぬが“もどかしく”なってしまう。どうしてもどかしい
思いをするのだろうかと考えてみたが、自分の中でその理由が見出せ
ないのだ。

結局のところは、自分自身で“おおかた天の邪鬼なのだろうよ”と結
論づけておしまい。そして結末はと言うと、劇場の座席という環境で
おいそれと逃げ出せないという縛りをかけ、そこでようやく諦めがつ
いておとなしく観るのだろうというオチである。

憬話§我々の“バイロイト音楽祭”2008.08

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