響話§ベートーヴェン~交響曲第1番~

バーンスタインがピアノを前に、この曲の説明をしているテレビ映像
を見たことがあった。

「こんな快速テンポなのにベートーヴェンは“メヌエット”と名づけ
たのだ」

という件を聞いて、あわててポケットスコアを取り出したら、紛うこ
となく“メヌエット”とあった。メヌエットからスケルツォへと移行
する、時代の境い目で生まれた快速メヌエットだったのだ。

ベートーヴェンが彼の最初の交響曲をハ長調で書いたというのは、彼
自身の中にどこか謙虚な気分があったのかどうか、そのあたりは想像
してもわからない。そんな思惑とは関係なく第一交響曲は、後の英雄
交響曲のようなくどさはなく、水源を出てすぐの爽やかな清流のよう
な見立てで聴くことができる。

この曲も実演を聴く機会は少なくて、これまでに2度しかない。その
うちでも、ラトル&ウィーンフィルによる演奏の軽やかさは忘れがた
いものがある。

終楽章、フルートの軽やかな一吹きで音楽が終わるのだが、このパー
トをディーター・フルーリーが、まさに吹けば飛ぶような羽毛の手触
りもかくやというさらりとした空気感で印象的に締めたのだった。

録音では、フランス・ブリュッヘンが18世紀オーケストラを指揮して
のライブ盤がお気に入りである。

《オーケストラのトピックス一覧》

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック

  • EROICA IN THE SHELL

    Excerpt: 【DHM/BVCD38226】 ●ベートーヴェン:交響曲第1番ハ長調 op.21 ●同:同第3番変ホ長調 op.55 ⇒ヤープ・シュレーダー/スミソニアン室内管弦楽団 ピリオド・アプローチ.. Weblog: 庭は夏の日ざかり racked: 2008-10-05 10:30