遍話§ドイツのテレビを眺めては[下]

[承前]

ドイツのテレビを見ていて、これまた“相変わらずだなあ”と苦笑す
るのは、歌謡番組が依然として“アテレコ”であるということで、バ
イエルンだのアルプス地方の民謡(フォルクスムジーク)の番組に、そ
れが顕著に見られる。

それこそ、ビアガルテンの長テーブル&長椅子に陣取った客が見守る
中を、バンドのメンバー数人がにこやかに歌謡ショーを繰り広げるの
だが、日本だったら30年も前に終わっているアテレコであることが、
何とも不自然に感じられてならないのだ。

明らかにエレキギターのコードなど接続されてもいないというのは、
何とも懐かしい光景で、日本では1970年代にはとっくに消滅していた
ような気がする。

脈絡なく書いていくが、朝っぱらからあちこちのテレビ局でシリアス
なテレビドラマを放送しているというのも不思議に思われる。それも
けっこう再放送の使い回しのように見えてしまい、そのあたりでどう
やらドイツのテレビ局のスタッフ数は、日本のそれとは桁違いに少な
いのだろうということまで想像できてしまう。

ニュースについての話を追加すると、日本のように厳密な時間管理で
はないことに驚かされる。ARDもZDFも正時にきちんと始まると
いうわけではなく、ある時は●時59分ちょっと過ぎから始まってみた
りしていた。だからニュースを読むアナウンサーが「次のニュースは
■時です」みたいなことを言うのだが、どうやら「■時頃からです」
と言い換えてもいいくらいだと思った。

日本ではスポンサーのないNHKでさえ、きちんとした時間で番組が
進行していくのに比べて、何とものどかなものだと、ホテルのテレビ
の横に置かれた月間番組表の本日分を眺めながら考え込むのである。

《ドイツのトピックス一覧》

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