憬話§このたびの旅[19]ワルキューレ<Ⅰ>

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↑開演前、バルコニーのファンファーレに襲いかかる巡礼者のカメラ

[承前]

★Bayreuther Festspiele★
Die Walküre 16:00-21:50 21.08.2008

今日は“おめかし”の日であるが、タキシードに袖を通すのも2000年
以来のことで、日本から各種パーツを忘れずにちゃんと持ってきてい
るかが気になるところだが、漏れもなく無事にお出かけの準備が完了
した。こういう状況下においてタキシードなるものは、あれやこれや
考えずに着てしまえばそれで済む便利な“よそ行き”だったりする。

今日も15時頃には緑の丘にたどり着き、カンティーネでケーキとお茶
を楽しむ。晴れていて気温もそこそこだが、空気の乾燥が爽やかさを
演出してくれる。とはいえ客席に入ると殿方は躊躇せずにジャケット
を脱ぐのである。

というわけで『ワルキューレ』の第一幕。いきなり気合の入った前奏
曲ににんまりとする。コントラバスの“ゴリゴリ!”とした低音が木
床を通して伝わってくる、をを!この快感……。

廃屋も同然のフンディングの家では“市井の”掃除人が作業を終えて
立ち去るところ。そこにジークムントが飛び込んでくるが、指示され
たであろう動きの緩慢さはいかんともしがたい。

どうやら“声を潰して”しまったジークムントのヴォトリッヒは、力
みが目立つばかり。元々演技力もないほうなので、カーテンコールの
ブーイングの標的になってしまうのである。それにフリッカを歌った
ミシェル・ブリートの精彩のなさも気になった。第2チクルスの時は
キャンセルしているので、今回も不調を引きずっていたのだろうか。

第一幕の所要時間は60分ほどと、むしろテンポは速いほうなのだが、
舞台上の緩慢さで音楽が損をしている部分はありそうな気がした。
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