芝話§平成中村座『忠臣蔵』中村小山三

[承前]

『山科閑居』の段。下女“りん”で登場したのが、中村屋最古参で今
年が米寿の中村小山三である。今回はCプログラムのみの出演。

戸無瀬が玄関で声を掛ける。ややあって、りんの返事の声が聞こえた
ところで客席が“ジワ”状態となる。そして舞台に姿が現れるや……

こさんざ!

と賑やかな声が掛かる。数少ない“いてくれればそれでいい”役者な
のだ。それが“いてくれる”だけではなく、てきぱきと元気に舞台上
で雰囲気を醸し出してくれるのだから何ともうれしいことである。

というわけで、決して“老婆”の役を演じない小山三の、すっきりと
若々しい“りん”を楽しませてもらった。こうしていつまでも達者で
細く長く舞台を務め続けてもらいたい。
                            [続く]

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