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zoom RSS 憬話§このたびの旅[16]ラインの黄金<U>

<<   作成日時 : 2008/10/03 12:01   >>

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[承前]

ティーレマンが指揮する『ラインの黄金』の音楽は意外とおとなしい
印象だった。あるいはこの先の3演目の流れを見通したうえでの表現
になっていたのかも知れないが本当のところはわからない。

音がソフィスティケートしているように感じられて、例えば“巨人の
モチーフ”なども仰々しさがなく、あっさりと聴こえたあたりは少し
ばかり物足りなさも残ったのは事実。ところどころティーレマン節が
顔を出すが、全体としてはあっさりとしたものである。

それにしてもと、しみじみバイロイトのピットからのオーケストラの
音色に惚れ惚れとする。クリアでけっしてくぐもるようなことなく、
金管や打楽器が強奏しても耳にうるさくない、おかげで歌声も客席に
きちんと届いてくれるのである。

1991年に聴いたバレンボイムの濃い目に味付けされた音楽と比べると
芸風の違いは明らかだが、これはもう、どちらが優れているとかいう
次元などではない。

それにしても……登場人物がまったく動かないと言ってもいいくらい
動きに演出が伴っていない舞台には唖然とした。

主要な登場人物の姿は“異形”である。そして街の広場や工場のよう
な建物の中で舞台が進行していくのだが、そこに台本の中には出てこ
ない黙役の“市井に生きる人々”が登場する。散歩をする人、寝転ん
で本を読む人、あるいは遊び回る子供たち……。

彼らが登場人物と“交わる”ことはないのだ。

演出の着想としてはおもしろいのかも知れないが、残念ながらそれが
まったく機能しないのである。要するに“お互いは見えない”にして
も、我々客席からは見えているわけである。演出家の手腕としては、
客席に対してそのことを“自然に”納得させなければならないのだが
それが実現しないまま中途半端な状況なのである。
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