憬話§このたびの旅[52]キルヒシュラーガー

[承前]

メゾソプラノのキルヒシュラーガーが、フーゴ・ヴォルフ・クァルテ
ットと共演して、ヴォルフのイタリア歌曲集から12曲を弦楽四重奏の
編曲版で歌うという、なかなかにそそられる企画物のリーダーアーベ
ントを聴いた。

Angelika Kirchschlager
Hugo Wolf Quartett

2008.09.01

Robert Schumann:Streichquartett Nr. 3 A-Dur, op.41/3

Ottorino Respighi:"Il Tramonto"

--PAUSE--

Hugo Wolf:Aus dem "Italienischen Liederbuch"
in einer Bearbeitung fur Gesang und Streichquartett:
Wer rief dich denn?
Wie lang schon war immer mein Verlangen
Nein, junger Herr!
Ihr jungen Leute
Du sagst mir, das ich keine Fürstin sei
Verschling' der Abgrund meines Liebsten Hutte

Italienische Serenade

Aus dem "Italienischen Liederbuch"
in einer Bearbeitung für Gesang und Streichquartett:
Wir haben beide lange Zeit geschwiegen
Man sagt mir, meine Mutter woll' es nicht
Was soll der Zorn, mein Schatz
Gesegnet sei das Grün
O wär' dein Haus durchsichtig wie Glas
Wenn du, mein Liebster, steigst zum Himmel auf
(in einer Bearbeitung für Gesang und Streichquartett von Sebastian Gürtler)


『コシ・ファン・トゥッテ』日本公演の感想が先になってしまったが
この時のリーダーアーベントで感じた印象の薄さのようなものは、オ
ペラの時と大体似たようなものである。

ただし、リートを歌う上での細やかさのようなものは、十分に感じ取
れる。フォルムを変にくずすことなく、きちんと歌っているのだ。だ
から聴いている時とか、聴いた直後については満足した気分になる。
だが、終演からほどなくすると、きれいさっぱり忘れてしまうという
ことの繰り返しが続いている。

おまけに予習で聴いたのがクリスタ・ルードヴィヒだったものだから
声や表現のあまりの違いに戸惑うことにもなってしまった。こういう
試みは時に一過性のもので終わりがちだが、様々な歌手が様々な試み
をというのは、これからも数多く行なわれることだろうと期待する。

今回は弦楽四重奏のために編曲されたリートなので、ピアノとの音色
の差異が想像以上にあって、驚きもあったと同時に実に興味深い試み
だと感じたのだ。と、それ以上何か感じるほどヴォルフのリートまで
手が届いているわけではないが。

フーゴ・ヴォルフ・クァルテットの演奏は、派手さはないが芯が一本
通った丁寧な演奏を聴かせてくれる。機会があれば違ったプログラム
でも聴いてみたいと思わされた。
                            [続く]

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