正話§タキシードの件である

今回のバイロイト詣でもタキシードを身に付けた。その時の簡単な経
緯はここに。

初めてタキシードを誂えたのは20年前。金の出処はその頃亡くなった
祖母が遺した預金のおこぼれで、数人の孫それぞれが10万円ずつだっ
たかを貰い受けたのだった。

それで形に残るものをと考えてイージーオーダーでタキシードを誂え
ることにしたのだ。あらかじめタキシードなるものがどういうものか
調べて、それで基本的なところをきちんと押さえて“正しいタキシー
ド”を作ってもらおうと考えたのだ。基本でスタートして、それから
先々変化をつけることを考えればいい。

ジャケットの形だが“ヘチマ襟”はあまり好みではないので“ピーク
ドラペル(剣襟)”にした。後ろはノーベントである。それでせっかく
だからヴェストも作ってもらうことにした。ヴェストとカマーを状況
に応じて使い分けるつもりだったが、ヴェストまで着ると暑くなって
しまい、最終的にはカマーバンドばかり使うことになってしまった。

そこまで決まればあとはシャツと靴、それに小物類である。けっこう
小物は細々とあって、蝶ネクタイに始まり、カマーバンド、サスペン
ダー、ポケットチーフ、シャツのボタンとカフスは黒オニキスといっ
たところまで揃えないといけないのだ。

もっとも今回は、ピカピカのオペラパンプスは履かず、黒のシンプル
なプレーントゥを履いた。

ただし、これも以前に書いたことだが、一度誂えてしまえばあれこれ
考える必要はないので実に楽なのである。ただ、バイロイトで7時間
とかタキシードを着たままというのは、何か鎧を身にまとっているか
のような、そんな重々しさも感じるのだ。だから、劇場からホテルに
戻って、部屋に入った瞬間からどんどん装備をはずしにかかるのであ
る。

憬話§我々の“バイロイト音楽祭”2008.08

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