迷話§やって来た列車に乗って[2]北陸路へ

[承前]

下り列車は長岡行きの各駅停車だった。出発して気づいたのは、この
年は雪が少なく“国境沿いの長い”清水トンネルを抜けて『雪国』に
入っても積雪はほとんどなかった。それで同じ車両にいたスキー客が
溜め息をついていた記憶がある。確かに駅前の中里スキー場のゲレン
デは見事な禿山だったのだ。

そんなこととは無関係に、さて自分はどこまで行けるのだろうかと考
えつつ終点の長岡に到着した。駅の時刻表を眺めて、何に乗ろうかと
考える。時間は午後2時頃だったかと思うが、北国のどんよりとした
雲が天上を覆っていて何やら薄暗さも感じてしまう。

直近の列車は北陸本線の西行きで、確か直江津止まりだったかなと。
それでとりあえず乗り込む。柏崎を過ぎると日本海が見えてきた。初
めて見る日本海は大陸からの風が強く吹きつけて、場当たり的な旅の
雰囲気をより一層際立たせてくれた。

“青海”駅のホームにいたっては眼の前が海岸になっていて、強風に
飛ばされた海水の飛沫がホームの列車内まで吹き込んでくるのだ。

というわけで直江津に着いた。選択肢は二つ。信越本線で長野方面に
南下するか、北陸本線をさらに西に進むかということろで、各駅停車
の後続の北陸本線の急行がやってきたので逡巡することなく乗り込ん
だのである。

その頃には外もずいぶんと暗くなり、大晦日の我が身の落ち着き先を
そろそろ決めなくてはいけなくなってきたのだ。
                            [続く]

【去年の今日】末話§団地で餅搗き大会+α

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