歩話§幕見『道成寺』~銀座散策~黒楽茶碗

先週の土曜日、歌舞伎座一幕見で昼の部の『道成寺』を観た。一時間
ほど前に到着し、何とかもぐりこむことができた。

それで三津五郎の道成寺だが、文句なく当代随一の踊り手であっても
――最上階から観た限り――“女性”が描ききれていなかった。実に
丁寧に踊っていることは十分に伝わってくるのだが、どうしても立役
から抜け切れているようには感じられなかった。

これもまたあくまでも遠見で感じたことだが、三津五郎自身の居心地
の悪さのようなものが伝わってきた。これは玉三郎のような女形や、
勘三郎のような兼ねる役者からは感じられなかったもので、とりあえ
ず踊ってはみたが――家元がとりあえずということなどありえないが
――どうも・・・という風に見えた。

相変わらず踊りを観る眼は素人同然で、そんな人間の感じたことだか
ら、決してあてになどしてはいけない。

『道成寺』が終わって13時半、天井桟敷から下りたところの歌舞伎そ
ばで軽く昼食。午後の時間一杯を銀座散策にあてられるのはなかなか
楽しい。

そういえばと思い出して京橋の路地裏で楽焼き茶碗を中心に扱ってい
る骨董店に行ってみた。今年の夏にぶらぶらしていて黒楽茶碗の見事
さに感心したので、同居人にも見せたかったのである。はたして……
しばし思わず見入ることになってしまった。もちろん“茶”などたし
なんだこともないが、艶を抑えて鈍く黒光りする小ぶりの茶碗の確か
な存在感……。

それで、いいなあと思って値札を見やると・・・あっさり退散。

【去年の今日】聖話§ささやかにメリー・クリスマス!

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