迷話§やって来た列車に乗って[Ⅵ]青森へ

[承前]

人がざわざわいる大広間などで仮眠などできようもなく、眠れないま
まデッキに出てみると、遠ざかっていく函館の灯と少しずつ近づいて
くる本州の灯、その間にぽつりぽつりと漁火も見えたりして、束の間
の旅情を醸し出してくれたりもする。

などと気分を出している間に、夜も白々と明けてきて本州が近づいて
きた。確か5時過ぎには青森の埠頭に到着したはずだと記憶。

大雑把に立てていた計画だが、青森に着いたら行ってみようと考えて
いた場所を目指すことにした。バス乗り場で一番のバスを待って……

酸ヶ湯温泉

……まで足を伸ばしたのである。

残雪の中中、たどり着いた酸ヶ湯温泉はというと、想像よりは辺鄙な
環境ではなく、温泉の前にバスが停まるという便利さ。建物もどこか
バスターミナルのような風情だったりする。温泉の受付で一日入浴券
があるのを見つけて購入。出たり入ったりを何度したことか。広々と
した浴場は気持ちよく、ヒバで造られた湯温の異なるいくつかの浴槽
を行ったりきたりするのもまた“湯治場気分”なのである。

というわけで6時間くらいは滞在していたような記憶であるのだ。
                            [続く]

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