噺話§古今亭志ん朝のこと

落語に親しんだのは中学から高校にかけての頃で、そこで仕入れた知
識のまま今に至るのだから相当に古臭いものかもしれない。

いつでもそうだが、落語家にも“贔屓”がいるわけではなく、好きな
噺家がたくさんいるということである。そんな一人が志ん朝だったり
する。実際の高座に接したことは残念ながらない――兄の金原亭馬生
の高座は新宿末広で観ている――。ラジオやテレビだけだが、父親の
志ん生が飄々とした落語だったのに対して、いかにも江戸っ子らしく
歯切れのいい落語を聞かせてくれた。

そりゃあ、父親である志ん生『火焔太鼓』のホニャララとした古道具
屋の親父の語り口も捨てがたいが、一方の志ん朝であれば古道具屋の
おかみさんが旦那をたしなめるあたりのキップのよさが身上だったり
するのだろう。だから『芝浜』での夫婦のやり取りの生き生きとして
いたこと。

“死んだ子の歳を数える”わけではないが、志ん朝が健在だったなら
落語界の状況はどうなっていただろうかと考え込んでしまう。

確か、志ん朝は熱心にドイツ語を勉強していたはずだし、ドイツにも
足繁く旅行していたということも聞いている。

【去年の今日】闘話§今日はこれから国技館

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