初話§大相撲一月場所~千秋楽~向

[承前]

白鵬は“勝たねばならぬ”のである。これには二つの意味があり、そ
うしなければ優勝できないということと、引退を云々された相手にな
ど負けてはならないという意味なのだ。

結果は御存知のとおり、二つ勝たなくてはならない白鵬と、1敗1勝
でもいい相手との微妙な差が明暗を分けたような気がする。日馬富士
――四股名を元に戻したほうがと個人的には思うが――に負けて苦杯
をなめた白鵬だが、こういう“取りこぼし”をなくさねば進歩などは
ないだろう。

ところで、我々は2階席から1階桟敷席の後方にスペースを見つけて
立ち見をしていたが、結びの一番の盛り上がりには鳥肌が立ちそうに
なったのである。最後の仕切りでの観客の拍手の動きが、パチパチと
沸騰した液体が沸き立って暴れるように見えたのは久しぶりのこと。

今場所を振り返って一言、戦犯の第一号は稀勢の里である。その他の
力士の不甲斐なさもまた眼を覆うばかりだったのだ。ご覧のような形
で盛り上がった一月場所だったが、こんなことが長く続くはずはなか
ろう。

とにかく魁皇をはじめとする大関陣が明らかに空洞化しているわけで
一月場所が新大関の日馬富士など、リズムをくずしていきなりの連敗
からスタートし、辛くも8勝7敗で事なきを得たが、それまでの挑戦
者という立場から“受け”に回ってしまった時点での不安が露見した
ようである。

若手も伸び悩みだったり怪我をしてみたり、もうひとつピリリとした
存在が出てこないのが不満なのである。

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